うさぎの飼い方

食事について 

食べる量を把握して1日2食

食事は1日2食です。水と牧草はいつでも摂取できるようにしておきましょう。生後1年は成長期にあたりますので、エサを多めに与えるようにしてください。その後は、食べ残さない程度にエサの量を調節します。普段から食べる量を把握しておくことが大切です。

パンを食べさせない・ドライフルーツの与え過ぎに注意

パンには繊維がほとんどなく、醗酵すると酵母菌が下痢の原因となったり、肥満、糖尿病、胃腸障害などの原因となったりすることがあるため与えてはいけません。また、肥満や虫歯の原因となる場合があるため、ドライフルーツの与え過ぎにも注意してください。

牧草と野菜がメイン

牧草を主食として、キャベツ、小松菜、ブロッコリーなど、緑黄色野菜や葉菜類を与えましょう。牧草は胃腸の状態を整えるために必要ですので、好きな時にいつでも食べられるように入れておいても大丈夫です。ペレットフードは補助食として2~3割程度が適量で、市販されている栄養価の高いペレットフードを与え過ぎると、肥満や病気の原因となる場合があります。また、固い棒状のペレットは、歯のためによくないので、避けてください。水は水道水をそのまま与えても大丈夫です。吊り下げボトルでいつでも飲めるようにしておきます。

環境について

室内飼いがおすすめ

うさぎは体温調節が上手くできず、寒い場所や暑い季節が苦手なので、室温15~26℃、湿度50~60%程度の室内で飼うようにしましょう。ケージを置く場所には、冷たい風や直射日光が当たらないようにシェードやすだれで影を作り、快適な温度を保つようにしてください。また、コード類をかじるクセがあるので、コード類は抜き、壊されたり汚されたりすると困るものは置かないようにしましょう。

温度だけでなく湿度にも注意しましょう

日本では梅雨の時期に湿度が70~80%になることもありますが、うさぎの快適な湿度は50~60%程度です。そのため、梅雨の時期などには温度だけでなく、湿度にも注意する必要があります。エアコンをドライにする、ケージを置いている場所に湿度計を置くなど、快適な湿度管理に努めるようにしてください。

相性の良いうさぎ以外は同じケージで飼わない

うさぎは縄張り意識が強いので、相性の良いうさぎ以外は同じケージで飼うのを避けるようにしましょう。また、繁殖力が強いので、繁殖目的以外で、雄と雌のペアを同じケージで飼う場合には、去勢・避妊するようにしましょう。この場合、子宮腺がんの防止に繋がることから避妊を優先させます。

雄同士を飼う場合には去勢が必要になることも

うさぎは外見のイメージほどにおとなしくはなく、攻撃性の強い動物です。雄同士を飼うと喧嘩をして怪我をしたり、最悪の場合、殺し合ったりすることがあります。そのため、雄同士を飼う時には去勢手術を受けさせて、攻撃性を抑制しなければいけない場合があります。個体に優劣が生じないように、基本的に去勢手術は同時期に行います。

少しずつ環境に慣れさせる

1日目

ケージや小屋に入れて、外から静かに様子を見守ります。

2日目

優しく声をかけながら、エサや水を交換したり、トイレを掃除したりします。この時、音を立てて驚かせないように注意してください。

3~5日目

手からエサをあげる、少し体を触るなどして、徐々に人間に慣れさせます。もし警戒してエサを食べてくれない時には、もう少しそのままの状態にしておきましょう。

6日目~2週間

常にリラックスしているようであれば、ケージから出したり、ブラッシングしたりしましょう。他のペットと会わせてみるのもいいでしょう。

しつけについて

うさぎはトイレのしつけができる

排泄時は無防備なので、落ち着く場所を好む傾向にあります。そのため、トイレはケージの隅など、2面が壁に接する場所に設置します。尿をしみこませたティッシュや糞を置いておけば、ニオイによってそこがトイレだと認識します。ただし、置きっぱなしにしておくと刺激臭が発生するので、1日1回交換するようにしてください。
うさぎのトイレのしつけは犬・猫よりも難しいですが、尻尾を上げる、そわそわしながら辺りのニオイを嗅ぎ始めるなどのトイレのサインがみられたらトイレに連れていったり、きちんとトイレができた時には褒めてあげたりするなどして、根気よくしつければ覚えるようになります。なお、外に出して遊ばせている時に、縄張りを広げるためにマーキングすることがありますので注意してください。

スキンシップで信頼関係を築く

うさぎは非常に好奇心旺盛で遊び好きですので、1日に30分から1時間程度、ケージから外に出して自由に遊ばせるようにしてください。その時、うさぎに話しかけたり、スキンシップをはかったりして信頼関係を築くようにしましょう。

ブラッシングで健康チェック

うさぎは換毛期が年に2回ありますが、特に抜け毛の多い季節にはブラッシングするようにしましょう。ブラッシングしなければ、毛づくろいをした際に毛を飲み込み、胃や腸に毛玉を詰まらせる毛球症を引き起こす場合があります。そうした病気を予防するためにも、犬猫用のブラシでブラッシングしてあげましょう。

抱っこのしつけも大事

病気や怪我をして動物病院で診療を受けなければいけない時に備えて、あらかじめ抱っこに慣れさせておくようにしてください。また、ブラッシングや耳掃除、爪切りなど、うさぎを抱っこしなければいけない場面が多々ありますので、普段から練習をして、飼い主様も正しい抱っこの仕方を身に付けるようにしてください。

正しい抱っこの仕方

正しい抱っこの仕方として、基本的な方法を紹介します。この方法に慣れたら、「あお向け抱っこ」など、他の方法にもチャレンジするようにしてください。なお、抱っこの練習をする時には、お菓子を与えながら頭を撫でてあげるなど、うさぎをリラックスさせてあげてください。

お腹とお尻に手をあてる
お腹とお尻に手をあてる

うさぎと向かい合わせになり、利き手をお腹、反対の手をお尻にあててください。

お尻を持ち上げる
お尻を持ち上げる

両手の平でうさぎを支えて、そのまま持ち上げます。

体に密着させてしっかり支える
体に密着させてしっかり支える

うさぎが動かないように、飼い主様の体に密着させてしっかりと支えます。

抱っこをする時の注意

声をかけてから抱っこする

急に抱っこすると驚いて逃げ出したり、暴れて落下して骨折したりする場合がありますので、抱っこの前には必ず声をかけたり、頭を撫でてリラックスさせたりするようにしてください。

後ろ足に対する注意

うさぎは後ろ足の力が強いので、バックキックにより背中や脊髄を傷めてしまう場合があります。また犬猫よりも骨がもろいので、自分の力で骨折したりする場合がありますので注意してください。

耳をつかまない

うさぎのチャームポイントである長い耳は、音を聞く器官であるだけでなく、体温を調節する器官でもあります。繊細な器官で、うさぎは触られることを非常に嫌がります。なので、決してつかんだりしないようにしてください。もし、小さなお子様などがつかんでいるところを見かけたら、注意するようにしましょう。